春日大社国宝殿で開催中の「最古の日本刀の世界 安綱・古伯耆展」ですが、前期展示が明日までとなっています。
北野天満宮所蔵の重文「太刀 銘安綱(号鬼切丸)」は明日1月26日(日)までの展示となります。また後期は1週間後の2月1日(土)からとなりますので前期・後期ともにご覧ください!!^^
【開催期間】
2019年12月28日(土)〜2020年3月1日(日)
※前期:12月28日(土)〜1月26日(日)/後期:2月1日(土)〜3月1日(日)
【見どころ】
1. 天下五剣
東京国立博物館の門外不出の国宝「太刀 銘安綱(名物童子切)」の出陳が決定しました。源頼光が 酒呑童子退治に用いたとされる伝説の太刀です。鬼才・安綱の代表作として名高い名刀で、天下五剣の一つにも数えられます。
国宝「太刀 銘安綱(名物童子切)」【通期展示】
2. 源氏代々の名宝が集結
安綱一門の刀は源氏の有力武将に尊ばれてきました。安綱作の東京国立博物館所蔵の「童子切」(国宝)は、源頼光から足利将軍家、徳川家康を経て津山松平家へ。北野天満宮所蔵の「鬼切丸」(重文)は足利一門の最上家に伝来。そして松平公益会所蔵の太刀「銘真守造さねもりづくり」(重文)は、源義光(新羅三郎義光)の佩刀はいとうとされ、子孫の武田信玄・勝頼、徳川家康を経て、水戸徳川家から高松松平家に伝来しています。このほかにも、源氏ゆかりの刀が複数集結します。なお、古伯耆の作品ではないものの、源氏代々の太刀で源義経ゆかりの箱根神社所蔵の「薄緑丸(膝丸)」も特別出品されます。
重要文化財「太刀 銘安綱(鬼切丸)」 平安時代 京都・北野天満宮 【前期展示】
「太刀 無銘(薄緑丸)」 平安時代 神奈川・箱根神社 【通期展示】
3. 拵こしらえに込められた武士もののふの美
中国・唐から伝来した唐大刀の様式を伝える、春日大社所蔵の国宝「黒漆平文飾剣(柄白鮫)」、国宝「黒漆平文飾剣(柄銀打鮫)」をはじめ、完存品が三例しかない毛抜形太刀のうち、春日大社所蔵の「金地螺鈿毛抜形太刀」と「紫檀地螺鈿銀樋毛抜形太刀」(いずれも国宝)が出陳されます。また、兵庫鎖太刀の名品で春日大社所蔵の「沃懸地酢漿平文毛抜形太刀」(国宝)や中世の実用の太刀である黒漆太刀、近世の華麗な糸巻太刀まで、拵に込められた武士(もののふ)の美意識にせまります。
4. 直刀から日本刀へ、その成立の謎に迫る!
安綱は、京都・三条宗近とならんで最古級の刀匠とされています。本展では、直刀から日本刀への変化の過程を示す、国宝「黒漆平文飾剣」など、平安時代の日本刀成立期作品をあわせて展示、その成立の謎に迫ります。
国宝「黒漆平文飾剣 (柄欠失)刀身」 平安時代 奈良・春日大社 【通期展示】
5. 古伯耆太刀勢揃い、もう一振りの国宝と春日大社の名刀
京都国立博物館所蔵の国宝「太刀 銘安家」は、在銘作の少ない安家の名品として知られています。やや細身で腰反りの高い優美な太刀姿で、鍛は地沸がよくつき地斑、地景がよく入るなど、古伯耆物の特徴がよく表れた作品です。近世は筑前・黒田家に伝来しました。
国宝「太刀 銘安家」 平安時代 京都国立博物館 【後期展示】
1939年に宝庫天井裏から錆びた状態で発見され、平成29年に研磨したことで古伯耆の太刀として確認された、重要美術品「太刀 無銘(古伯耆 伝安綱)」(奈良県・春日大社蔵)も展示されます。
「太刀 無銘(古伯耆 伝安綱)」 平安時代 奈良・春日大社 【通期展示】
◆春日大社国宝殿◆
住所:奈良市春日野町160
開館時間:10:00〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:2020年1月27日(月)〜1月31日(金)
<特別開館延長>
2020年2月3日(月)、2月8日(土)〜2月14日(金)10:00〜19:00※入館は閉館の30分前まで
【アクセス】
<電車・バス>
JR大和路線・近鉄奈良線「奈良駅」から奈良交通バス(春日大社本殿行)約11〜15分、「春日大社本殿」下車すぐ。
または奈良交通バス(市内循環外回り)約9〜13分、「春日大社表参道」下車、徒歩約10分。