10月31日(土)開催。「平成27年度 黒野城跡発掘調査 現地説明会」(岐阜市様)
平成27年度 岐阜市史跡黒野城跡 発掘調査成果
名称 岐阜市史跡 黒野城跡(昭和30年12月22日指定)
所在地 黒野城跡公園(岐阜市黒野388)
調査期間 平成27年10月5日〜平成27年11月9日(予定)
調査面積 約12.5平方メートル
調査個所 本丸入口部分
調査目的 市史跡黒野城跡の内容確認のため 黒野城跡は黒野台地の南端に位置する。文禄3(1594)年に加藤貞泰(さだやす)が美濃国黒野4万石に封じられた際に築城された。その後、慶長15(1610)年に、貞泰が伯耆国米子(ほうきのくによなご)6万石に転封され、廃城となった。存続期間は16年であった。
2.見つかった遺構
1.石垣
概要
規模
【北側石材】
・幅42cm×奥行80cm×高さ40cm ※全て検出長
【西側石材】
・幅60cm×奥行66cm×高さ35cm ※全て検出長
種類
・2石とも砂岩(加工の痕跡が少なく自然石に近い)
構造
・石垣背面には裏(うら)込(ごめ)石(いし)として川原石を使用しているが、西側石材の背面には裏込石が見られない。
※北側石材は、原位置とみられるが、西側石材については、後世に動かされた可能性が高い。
2.黒野城築城時の南側土塁盛土の堆積状況
概要
・Aトレンチ南端から北方向約2mに渡って、黒野城築城時の南側土塁盛土の堆積状況を確認した。
3.見つかった遺物
約20点出土。
戦国時代末頃の瓦や近世陶器などが出土した。
4.今回の発掘調査成果の意義
1.平成26年度調査で確認した石垣の延長と、絵図に描かれた土塁の屈曲部分を確認
・平成26年度調査で確認した入口石垣の延長線上に、石垣とみられる石材を2石確認した。入口石垣の総延長は、約11m以上になる。
・延長線上に1石(北側石材)と、近接して約90°西に振った方向に1石(西側石材)確認したことから、石垣が西へと直角に曲がる隅の部分にあたる可能性が考えられる。
2.黒野城築城時の南側土塁の一部を確認
・現在の南側土塁は昭和50年頃に復元されたものであり、今回の調査で現状より北側に、黒野城築城時の南側土塁が位置していたことが明らかになった。
3.発掘調査で初めて黒野城の瓦が出土
・近代の造成土中ではあるが、黒野城存続時の瓦片が出土しており、黒野城の入口付近に門などの瓦を伴う構築物が存在した可能性がある。
5.発掘調査現場の現地説明会について
公開日 平成27年10月31日(土)
公開時間 午後1時30分から3時まで(小雨決行)
※雨天中止の場合は11月1日(日)に延期 ※黒野城入口付近で担当職員による説明(10分程度)
※駐車場がありませんので、公共交通機関をご利用ください。
JR岐阜8番のりば(御望野行き、本巣市役所行き、西秋沢行き)『黒野城跡前』下車
今回検出された石材は、昨年度の調査で検出された石列と方位が一致しており、本丸虎口に構えられた枡形であることは間違いない。さらに石材と裏込めの形状より、入隅という、枡形が直角に折れ曲がる箇所に相当する。こうした構造より、枡形の規模が判明した意義は大きい。また今回の調査では瓦が出土しており、枡形に構えられた門が瓦葺きであったことも判明しており、黒野城の具体的な姿が分かった。