佐賀藩主・侯爵鍋島家伝来の資料を展示されております徴古館様で本日より7月30日まで、企画展『佐賀城築城400年記念 鍋島直茂・勝茂の時代』が行なわれております。
今回の企画展は佐賀城築城400年記念として行なわれます。
その佐賀城と鍋島家との歴史は、戦国時代に龍造寺氏によって築かれた村中城を江戸時代初期に鍋島直茂・勝茂父子が整備拡張。慶長16年(1611年)に鍋島勝茂が新築された本丸御殿に入城されたことに始まります。佐賀城の築城は1611年以降も継続的に進められましたが、1615年に江戸幕府から発布された武家諸法度で城郭の新規構築が禁止されたことを受け、大佐賀城構想は建設途中で挫折しております。
今回の展示では大きく3つに分かれており、当時の絵図や古文書などから直茂・勝茂父子が進めた佐賀城築城と城下町建設の過程を辿る「幻の大佐賀城構想」、勝茂が島原の乱で身に付けた甲冑やその活躍を伝える辻歌などについての展示を中心とした「勝茂と天草・島原の乱」、勝茂が所持していた工芸品を展示する「勝茂公の御道具」となります。
【主な展示物(説明は徴古館様HPより)】
佐嘉小城内絵図(慶長年間)慶長年間の佐賀城の実際のようすを立体的に描いた絵図。東南の島が本丸・二の丸で、五層の天守閣が聳え本丸御殿の建物群がひしめき合っている。その他は藩重臣の居住区で、「四十間堀」と通称された広大な濠がこれら城内を囲んでいた。藩祖・直茂は「悪大将が良き人材をもたず城郭ばかりが堅固なのは無益」と語った(『直茂公御咄聞書』)という。佐賀城内の構成と通じるものがあるかもしれない。
青漆塗萌黄糸威二枚胴具足(初代藩主・鍋島勝茂所用)
佐賀藩歴代藩主着用のものとして、唯一現存する具足。初代藩主・鍋島勝茂は寛永14〜15年(1637〜38)天草・島原の乱でこの具足を着用し、佐賀藩は原城一番乗りの武功をあげた。島原の乱では各武将が奇抜な意匠の具足を用いている。本品は地味だが機能的で、威糸の萌黄色と、青緑の顔料を混ぜた漆の色が調和し藩主着用にふさわしい風格である。のちに末男の鍋島直長に「武運之瑞器」として与えたことが胴裏面の「鎧記」から分かる。その後、村田鍋島家(佐賀藩親類)に伝来したが、近代に入り同家の茂彬から鍋島本家へ献上された。佐賀県指定重要文化財。
錆色塗紺糸威仏二枚胴具足(成富兵庫茂安所用)
龍造寺隆信、鍋島直茂・勝茂に仕えたなり土見兵庫茂安着用と伝える具足。『成富家譜』(鍋島文庫)では、加藤清正が毛利攻めで着用した吉祥の具足として成富兵庫に授けたと伝えている。臑当は伝承通りの時代の可能性があるが、それ以外は少し下って清正没後の元和〜寛永年間(1615〜1644)頃の制作と見られる。明治29年(1896)に、加藤清正書状(本展出品)などと共に、成富家から鍋島家へ献上された具足。
その他「惣目論見絵図(そうもくろみえず)」と呼ばれた計画図のパネル展示や、龍造寺隆信や直茂所用の刀なども展示されております。会期は7月30日までですので、夏休みを使ってぜひご覧下さいませ^^
◆徴古館◆
「佐賀城築城400年記念 鍋島直茂・勝茂の時代」
会期:5月30日(月)〜7月30日(土)
住所:佐賀県佐賀市松原2-5-221
TEL:0952-23-4200
開館時間:9:30〜16:00
休館日:日曜・祝日・展示準備期間・年末年始
【アクセス】
<車>
長崎自動車道 佐賀大和I.Cから約20分
<電車>
JR佐賀駅から徒歩約20分
<バス>
佐賀駅バスセンターから
市営、昭和、祐徳各バスで「県庁前」下車 徒歩約3分